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「良い建物・良い家」とは、(その5 最終回)

 「良い建物・良い家」とは、について書いてきましたが、今回が最終回です。

6.使い勝手が良い。
ストレスを感じることなく、快適に使える建物というのは、使い勝手がよくなければなりません。扉の開き勝手が逆になるだけでも、ストレスが溜まります。足の悪い人が、夜中にトイレに行きたくなり、寝室から遠く歩くようなトイレというのは、不便で使い勝手はよくありません。常に使い手のことを考えて、どのような生活パターンなのかをよく知ってつくらなければなりません。


7.建物を見ると気持ちよくなる。
 建物は、常に人目に触れるところです。建物の形状であったり、色であったり、人に不快感を与えるようなものであれば、いくら災害に強い家をつくりましたといっても、潰してくれということにもなりかねません。ある意味、建物は芸術であるといっても過言ではありません。それほど、美しいものであって欲しいものです。

8.快適である。
 私は、「良い建物・良い家」といういのは、「安心して、快適に安全に暮らせる家」のことと思って、仕事をしています。快適ということは、良い家であるという中で重要な要素と言えます。快適な家というのは、心地の良い風が入ってくる、日当たりが良い、使い勝手が良いなどいろいろな要素がありますが、ここでいう快適とは、人間が快適であると思える温度・湿度というのは、個人差はありますが、だいたい決まっています。本来、人間は、自然の中で生活していたのですが、近代化により自然の中で暮らすことも難しくなりました。いかにして、暑さ・寒さ・湿気を遮るのかそれが重要なポイントになってきます。

我が家の屋上から
我が家の屋上から見た神戸の朝です

 以上が、私から日頃、こんな事を考えながら、仕事をやっていますということを紹介しました。このブログに書いてきたことは、ほんの一部ですので、詳しくは、あんしん相談室の「住まいづくりの基礎知識」をじっくりと読んでみて下さい。

「住まいづくりの基礎知識」
http://arch-assist.com/sumaidukuri-kisotisiki

 by Tadashi Yasumizu 2019.10.02

「良い建物・良い家」とは、(その4)

続きですが、

3. 健康に良い
 最近ではシックハウス症候群というのが問題になっています。これはどういうことかと言いますと、新しい部屋に入ると目がチカチカする、お腹が痛くなる、気分が悪くなる、頭痛がするなどの健康障害が出ることです。これは、何が原因かと言いますと、最近の新しい家には、化学製品がよく使用されており、その中でも接着剤とか、ビールクロスとか、ビニールシートとか新建材の中には、有害な化学物質が多々使用されています。その中の特にホルムアルデヒドが一番の原因とされていますが、それに反応して、アレルギー症状が出ているというわけです。これを改善するにはこの化学物質の含まれている材料をできる限り減らすとか、換気をよくするといった対策をしなければなりません。そういう意味で最近は、自然素材の家というのが、見直されるようになっています。そのような材料とか施工方法とはどのようなものか、知っておく必要があるのです。


4. 安全である。
 建物は、安全というのが大前提です。災害に強い家には共通するものがあるのですが、ここでいう安全というのは、例えば、足が滑って転倒したとか、階段から落下したとか、本来、安全であるはずの建物が凶器になることもあります。これを少しでも防止するにはどうするのか、考える必要があります。


5. 居心地が良い。気持ちが良い。
 ストレスのない気持ちのいい、もっとこの場所にいたいと思えるような空間というのは、人間らくし、健全に、健康的に生活していく上で、とても大切なことです。このような場所で育った子供はすくすくと健康に育ちます。人間関係も良くなります。このような居心地の良い家、気持ちの良い家、そのような家をつくるにはどうしたらいいのでしょうか?


 by Tadashi Yasumizu 2019.10.01



「良い建物・良い家」とは、(その3)

 前回は、「地震・台風・火災などに強い。」という記事を書きましたが、今回は、その続きで、「長持ちする。」について考えてみます。

2.長持ちする。
 これはどういうことかと言いますと、業界用語では「耐久性」が優れているとも言います。いくら頑丈な家をつくっても、長持ちしないとなったらいけません。本当だったら、50年、100年もつものが30年でダメになってしまってはいけません。長くもたせるためには、相応の対策をしなければならないのです。

 日本という国の風土は、高温多湿で特に夏季には、多くの雨が降り、秋には大きな台風が多くやってきます。日本の家屋はほとんどが木造であり、木というのは、湿気に弱いものです。湿気があるとすぐに腐朽菌、カビ、白蟻などがつき、木材を喰い荒らし、建物の寿命を短くします。また、木造に限らず、材料の選択を誤ったり、施工方法を誤ったりすると、すぐに雨漏りを起こしたり、鉄筋を錆びさせて、建物の寿命を短くします。

 本来、適切な材料を選び、適切な施工を行い、こまめなメンテナンスを行えば、木造住宅とはいえ、100年、200年は十分にもつものです。そのような建物を目指したいものです。

宝塚市雲雀丘あめりか屋住宅
宝塚市雲雀丘あめりか屋住宅   びんみんのまちあるき「日常旅行日記」ブログより

 これは、以前に私が勤務していた、あめりか屋が昭和2年によって建築されたものです。今でも、とても綺麗に保存されています。

 by Tadashi Yasumizu 2019.09.12



「良い建物・良い家」とは、(その2)

 「良い建物・良い家」の要素の一つとして、「地震・台風・火災などの災害に強い。」ということを先に述べました。今回は、それについて考えてみたいと思います。


1.地震・台風・火災などの災害に強い。
 これは、解りやすくいうと災害に強いということです。最近は、よく大きな地震、大きな台風、大火災が発生します。記憶に新しいところでは、ついこの間、大阪北部地震が発生しました。ここでは、高槻の小学校のブロック塀が倒れて、幼い小さな命を奪いました。3年ほど前には熊本地震がありました。ここでも、多くの家が倒壊し、多くの命が奪われました。

 また、ついこの間は、関西にも巨大台風が襲い、屋根が飛ばされたり、壁が飛ばされたりで大きな被害ができました。私自身、23年前に阪神淡路大震災に遭遇しました。当時、私は、JR西ノ宮駅のすぐ近くのマンションに住んでいたのですが、廻りの木造の家はほとんどが倒壊し、多くの命が奪われ、多くの人の幸せを奪い、絶望のどん底に突き落とされた光景をまの当たりにしました。当時、まだまだ、私は若く、建築士として、満足なことはできなかったのですが、今から思えば、少なくとも、建物さえしっかりと頑丈なものにすれば、その尊い命は救えた。幸せを奪うこともなかったということです。建物は、命を守る、財産を守るもので、あって欲しいと思います。ですので、そういう災害に強い家、頑丈な建物をつくるにはどうしたらいいのか、建築に関わる人は、常に考えていなければなりません。

阪神淡路大震災
阪神・淡路大震災では、多くの建物が倒壊した  神戸市HPより


 by Tadashi Yasumizu 2019.09.10

「良い建物・良い家」とは、(その1)

 私は、日頃から、やっている建築活動を通じて、「良い建物・良い家とはどういうものか」ということをよく考えます。最近、特に、裁判になるようないわゆる瑕疵と言われる住宅、建物の調査依頼が多く、住んでいる人をどれだけ不安にさせ、それを解決するために余計な労力、時間、費用をかけることになるのか、その状況を目の当たりにしているだけに、住宅・建物を供給する建築士の役割は非常に大きいものと考えます。良い家・良い建物をつくれば、それにかかわる人をみんな幸せにすることができます。しかしながら、逆に悪いものをつくってしまうと、みんなを不幸にしてしまいます。しばらく、これについて、書いてみたいとお思います。

 おそらく、ほとんどの人が一生に一度は、自分の家を持つことかと思うのですが、家づくりには、いろいろな夢をみます。その家の中には、家族の夢、幸せな生活がいっぱいつまっています。ですので、家づくりに関わる人は、そのような人の夢、幸せにこたえられる人であって欲しいと思います。その人というのは、設計士であったり、工務店の現場監督であったりします。そのような人を建築士と言わせてもらいます。建築士である人は、仕事を依頼してくれた人、施主とか建築主とかいうのですが、通常は、「お施主さん」と言います。建築士は、そのお施主さんに、幸せ、喜びを与えることができる人であって欲しいと思っています。つまりは、「良い建物・良い家をつくる」というのが、建築士の生き甲斐、目標であります。そして、そのお施主さんから、「本当に、ありがとうございました。」と喜んでいただいたときに、私たち建築士は、幸せを感じるのです。私も「良い建物・良い家をつくる」ために、日頃の仕事に取り組んでいます。

 それでは、人を幸せにする「良い建物・良い家」とはどういうものをいうのでしょうか。私なり、日頃から考えていることをあげてみたいと思います。

• 地震・台風・火災などに強い。
• 長持ちする。
• 風雨に強い。
• 健康に良い。
• 安全である。
• 居心地が良い。
• 使い勝手が良い。
• 建物を見ると気持ちよくなる。
• 快適である。

こんな感じです。これらが、全て備わっている建物、家は、みんなが喜んでくれて、みんなを幸せにすることができます。私達、建築士は、みんなこのような建物をつくることを目指して、努力しています。
それでは、これらを満たすためには、具体的にどうすればいいのか、これから、ひとつひとつ考えてみたいと思います。

 by Tadashi Yasumizu 2019.09.07


プロフィール

安水建築事務所

Author:安水建築事務所
 住まいに安心と安全を。住まいづくりのコンサルタント安水正です。安水建築事務所をやりながら、「あんしん住宅相談室」を主宰しています。

 日頃、やっていることを通して、実際にどのような調査・診断をやっているのか、少しでも皆様の住まいづくりのお役に立てればと心がけて書きたいと思っています。もし、お気づきの事、お聞きになりたいことなどありましたら、コメント、メールをいただければ幸いです。

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