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建築士定期講習


 昨日は、一級建築の建築士定期講習を受けてきました。これは、建築士が建築士事務所に所属していれば、3年たてば、受講することが義務になっている講習会です。これは、10年前に元A一級建築士が構造計算書を偽装して、耐震性のないマンションを多数設計して、大きな社会問題になって以来、変わっていく建築基準法、建築士の倫理、技術的なことなどを見直しをするために行われるものです。

 朝の9時から、夕方の5時半まで、缶詰状態で最後には、終了考査まであり、大変でした。内容的には、建築基準法について、建築士法について、耐震性能、アスベスト、省エネ対策など、日頃から必要な実務的なことばかりです。
契約は、きちんとしなさいよ、法律はきちんと守りなさいよ、といった当たり前の事ばかりなのですが、つい、油断をすると忘れがちになってしまいます。

 構造に関しては、耐震に関してが、一番、重要視していました。次々と大きな地震が襲ってくるので、これからも耐震性の高い建物を造るということは、非常に重要なことです。建築士、特に一級というのは、一般の人には入り込めない特殊な資格であり、次々と法律が変わり、新しい技術が開発されるから、講習会が頻繁にあるのも理解できます。どの仕事もそうでしょうが、建築士も大変です。改めて、責任が大きい職業だと思います。

 私もこのような建築のコンサルティング、設計・監理の仕事をしている関係上、法令を遵守する、地震に強い建物をつくるということは、非常に重要なことであり、それを実行して、これからも安全で安心して暮らせる社会をつくってゆくと、再度、自分の認識を確認するのに非常に良い機会であったと思います。

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 使用したテキストです。



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耐震診断(その4) 「耐震診断の方法:一般診断について・・・耐力壁の使い分け」


 前回、耐力壁の種類について、説明しましたが、さらに詳しく、今回は、使い分けについて、説明したいと思います。
 
 まず、耐力壁は、大きく筋かいと構造用の合板がある。筋かいの中にもサイズの大きさとそれをダブルで入れるのか、シングルで入れるのかで強さが変わり、構造用の合板も種類、釘の打ち方により強さが変わると説明しました。それでは、どのように強さが変わるのでしょうか。

 耐力壁の強さを表すのに壁倍率という言葉があります。これにより、壁の強さを知ることができます。まずは、壁倍率が1.0倍と言いますと、これは、壁長さ1m当たり1.96kNの水平荷重(横からの力)に抵抗できることを意味します。少々、難しい表現ですが、この値が高いほど、強く、大きな水平荷重に耐えることができることを意味します。通常、木造の在来工法では、壁倍率を0.1~5.0の範囲で定めています。

 それでは、幅90mm、厚み30mmの筋かいをシングルで入れた場合の壁ならば、この壁倍率は、いくらかと言いますと、1.5倍です。つまりは、90×30の筋かいがシングルで入っている壁の長さが1mあれば、1.96kN×1.5=2.94kNの水平力に耐えられるということになります。1kNは、O.102tですので、0.299tonの力に耐えることができるということになります。90×45の筋かいがシングルで入っている壁倍率は2.0、これが、ダブルになると4.0となるわけです。

 構造用合板の場合は、どうでしょうか。構造用合板は、例えば、厚み9mmの合板であれば、壁倍率は、2.5倍です。これが表と裏の両面に貼ってある壁ならば、その倍の5.0倍となるわけです。同じ、1mの壁であるならば、筋かいよりも、若干、構造用の合板の方が強いというわけです。この構造用合板は、釘の種類、打ち方でも倍率が変わってきます。例えば、100mm間隔で釘を打つ場合と、200mm間隔で倍の量の釘を打つ場合と比べると、倍の量の釘を打っている法が強いのは当然ですね。また、釘の種類や打ち方に関しては、後日、説明する機会があるかと思います。

 こんな感じで耐力壁は、いろいろな種類があるのですが、これをどう使い分けているかでその家の強さが変わってくのです。ですから、耐震診断では、どのような耐力壁がどこに入っているかを知ることが非常に重要なわけです。

 次回は、これらの耐力壁の配置について、お話しをします。




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耐震診断(その3) 「耐震診断の方法:一般診断について・・・耐力壁」

  前回は、一般診断において、建物の重量と地盤、建物の形が耐震性において、どのように影響するものかをお話ししました。今回は、耐力壁ついてお話しします。

 まずは、耐力壁とは何かと言いますと、地震が来た時に地震力に対抗できる強い壁のことです。これは、どのような壁を言うのかと言いますと、筋かいが入っている壁、構造用の合板で固められた壁などを言います。阪神・淡路大震災で倒壊した原因として、よく筋かいが少なかったからと言われます。この筋かいがどのように入っているのかが、倒壊するのかしないのかの分れ道となります。

 その筋かいについても、いろいろな筋かいがあります。今では、幅が90mm厚みが45mmが主流となっていますが、昔は、幅は90mmでも厚みは、30mmのものが多かったです。その筋かいをダブルで入れる場合、シングルで入れる場合、二通りの入れ方があります。筋かいの種類、入れ方により、それぞれ、強度は違ってきます。当然、薄い30mmのものよりも、厚い45mmの方が強く、シングルで入れるよりもダブルで入れる方が強いのです。
 
 次に構造用の合板ですが、この構造用の合板にもいろいろあります。耐力壁として使う構造用の合板は、通常のベニヤ板と違って、使用材や接着剤の違い、製造方法の違いにより強度が高くなっています。また、セメント系のものや、木材を粉砕加工して固めたものなど、建材メーカーがいろいろなものを出しています。これらのものは、水に強いもの、火に強いもの、長持ちするもの、それぞれ、特徴があり、強度も違いますので、用途により使い分けします。

 次回は、これらの耐力壁の使い分けについて、お話しをします。




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耐震診断(その2) 「耐震診断の方法:一般診断について・・・建物の重量と地盤、建物の形」

 ここでは、耐震診断とはどのようなものか、どのようにして、診断するのか、その診断方法について説明します。

 木造住宅における耐震診断には、一般的に(財)日本建築防災協会の「木造住宅の耐震診断と補強方法」による「一般診断」と「精密診断」があります。
 ここでは、「一般診断」について説明します。「一般診断」は、簡易的な診断方法で建物の重量、地盤の状況、建物の形状、筋かいが入っているか入っていないかなどの耐力壁の有無、開口部の大きさ・位置、劣化状況、基礎の状況などにより判断します。

 建物の重量は、大きく3つに分けられます。一つ目は、「非常に重たい建物」。二つ目は、「重たい建物」。三つ目は、「軽い建物」です。「非常に重たい建物」とは、屋根に土が載っていて、瓦葺きであり、壁は、土壁であること。「重たい建物」とは、屋根に土は載っていないが、瓦葺きであること。「軽い建物」とは、屋根がスレート葺きであったり、鉄板葺きであったりするものです。

 一般的に「非常に重たい建物」は、「軽い建物」の1.7~2.2倍程度の重さ、「重たい建物」は、「軽い建物」の1.2~1.7倍程度の重さです。阪神淡路大震災で倒壊した家の特徴として、土が載った日本瓦の非常に重たい、昔の家が多数倒壊し、軽いスレート葺きのプレハブの家は全くと言っていいほど、倒壊しませんでした。
 これらからでもわかるように屋根は、重たくなればなるほど、倒壊しやすくなるのです。一般診断では、床面積あたりの屋根の重量による係数を決めて、掛け合わせて、必要な力がどれだけいるのかを計算します。

 次に地盤の状況ですが、地盤にもいろいろな種類の地盤があるのですが、「一般診断」では、普通の地盤と非常に緩い地盤の2つに分けられます。その建物が大地震に耐えるための必要な力は、非常に緩い地盤は、普通の地盤の1.5倍を掛けることになっています。

 次に建物の形についてですが、建物は、いろいろな形があります。細長い建物、正方形の建物、凹型の建物など。一般的に限りなく正方形に近い形が最も、地震強いのです。一般診断では、細長い建物、短辺方向が4m未満の場合は、通常のものより、1.13倍の強さが必要とされています。

 非常に長くなりますので、今日は、このへんで、次回は、「建物の形状」から続きを説明します。





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耐震診断(その1) 「なぜ耐震診断が必要か」

 こんにちは、安水です。

 しばらくは、私が得意としている業務の一つである耐震診断について、連載で書いてみたいと思います。まず、最初になぜ、耐震診断が必要かというところから、入っていきます。

 日本は、地震国です。頻繁に地震が起こり、数十年に一度は、大きな地震が起こります。大地震と言えば、近くでは、平成23年3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)、また、私にとっては、忘れもしない平成7年1月17日に起こった兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)などがあげられます。

 特に阪神淡路大震災では、数多くの建物が倒壊し、数多くの人が建物の下敷きになり亡くなり、多くの財産を失うなど、甚大は被害をもたらしました。それにより、人々の生活は一変し、大きな悲しみに包まれました。復旧させるのに、莫大は費用が発生しました。そして、大切な財産、命を失った人の心の穴は計りしれなく大きいものとなりました。
 また、数十年の内にいや、明日また、大地震が発生するかもしれません。こんな時に大地震が発生した時に倒壊することなく、尊い命を守る建物をつくることは、極めて大切なことであり、そういう建物を造るための第一歩が耐震診断なのです。

 昭和56年に耐震基準が変わり、これ以降の建物は、阪神淡路大震災時において、大破したのは、数%でした。しかしながら、それ以前の旧耐震基準のものは、30%弱の建物が大破したと言われています。最近でこそ新しい基準で造られているため倒壊する可能性は、低いとされていますが、未だに旧耐震基準の建物は、多数、存在しています。再度、大地震が来たならば、旧耐震基準で造られている建物は、大破する可能性が高いのです。まずは、旧耐震基準で造られている建物に対して、耐震診断して、現状を知るということが大切なのです。現状を知ることによって、補強が必要なのかどうなのかが解るのです。


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 阪神淡路大震災において、倒壊した住宅




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プロフィール

安水建築事務所

Author:安水建築事務所
 住まいに安心と安全を。住まいづくりのコンサルタント安水正です。安水建築事務所をやりながら、「あんしん住宅相談室」を主宰しています。

 日頃、やっていることを通して、実際にどのような調査・診断をやっているのか、少しでも皆様の住まいづくりのお役に立てればと心がけて書きたいと思っています。もし、お気づきの事、お聞きになりたいことなどありましたら、コメント、メールをいただければ幸いです。

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